都内某所、アガサナナゼア4枚目のニューアルバムのレコーディングを終えたばかりのメンバーに完成したアルバムについて、インタビュー取材を行った。
今回のアルバムで、ギター・コーラス・プログラミングを担当し、アガサナナゼアの音楽を支え続けてきている岩谷文武氏に話を聞いた。
-アルバム製作お疲れ様でした。早速ですが今回のアルバム「第三惑星第三者」についてお話を伺いたいと思います。
まずは今回のアルバム製作に参加する事になった経緯からお聞きします。どの様にして今回のプロジェクトは始まったんですか?
岩谷文武(以下岩谷)そうですね、前々からハジメ君の作る曲と僕のギターは合うなぁと思ってて、これまでも音源製作には自然と関わって来ていたので、今回ハジメ君からアルバムを作ろうって話しが来た時も自然と、『やろうか!』という感じでした。
-前作「言の葉プラネタリウム」でも岩谷さんは大きな役目を担ってましたもんね。今回担当するのは自然な流れだったのかも知れませんね。
今回のアルバムを製作するに当たっての考えや、どんな作品に仕上げよう等、考えていた事はありますか?
岩谷-ハジメ君の満足出来る作品を作るっていうのは大前提にあって、曲や個々のアレンジは極力頭で考えたものではなくて自然に出てきたものを使うように意識しました。その分『出てくるの待ち』は結構ありましたね(笑)
ただ今回はアルバム製作の話しが出た時からハジメ君と僕の二人で作る作品というのが前提で進んでたので。これまでの二人の音楽活動の集大成になるならどんな形でも満足できるとは思っていました。
-長年の二人の音楽を通しての付き合いの結晶が詰めこんだ、というわけですね。先日完成したデモを頂いてから、何度も何度も聞かせて頂きましたが、お二人の関係が音に出ている気がしますね。お二人と知り合ってから、間もない私ですがその関係性が不思議と見えてくるんですよね。今、岩谷さんから話を聞いて納得できました(笑)
具体的なお話を聞きますが、今回の製作作業に岩谷さんは主にどんな役割を担当されていたんですか?
岩谷-曲のアレンジ、ドラムのプログラミング、ギター、コーラス、ミックスなどですね。
-それでは今回のアルバム製作で一番の苦労はなんでしたか?
岩谷-アルバム製作当初、曲数が20曲近くあったので、それぞれのアレンジやミックスをするのにそれなりの時間が必要だったんですけど、時間の捻出には結構苦労しました。丸々3ヶ月は部屋にこもって引きこもり状態でしたね(笑)
-ヴォーカルのハジメさんの話していた過去の資料の中で「引きこもり音楽」という発言があったんですが、まさにそれが岩谷さんにも伝染してしまったんですね(笑)
-それでは今回のその引きこもりレコーディング(笑)に使用した機材を教えて頂けますか?
岩谷-sony vaio、cubase、GuitarRig3、phase90、addictive drums、T-racks、vintage warmer、この辺りがメインですが、他にもプラグインは色々使っています。ギターは最近メインで使っているmustangですね。
-さて、曲についての質問をさせて頂きたいのですが、今回のアルバムの中で印象に残っている曲、苦労した曲はありますか?
岩谷-そうですねぇ、どの曲もやっぱり思い入れがあるので一概にこれっていうのは難しいんですけど、個人的な好みとしては『銃とバースデイ』でしょうか。あの曲の雰囲気は特に好きです。
苦労した曲・・・お引っ越しの唄のアレンジですかね。ハジメ君のイメージしてる感じに中々仕上がらなくてこの曲は試行錯誤して作った感じです。ミックスに関してはどの曲もそれなりの苦労が・・・(笑)
-私も「銃とバースデイ」を聞いた時、鳥肌が立ちました。あの空気感は独特ですよね。本当に戦場に居るかの様なトリップ感を感じました。ギターの音色なのか歌詞の質感なのか、何がその空気感を作っているのかは分からないんですが、リアルにあの曲の世界観を感じました。
-少し角度を変えて質問させて頂きたいんですが、作曲者であり、楽器演奏者であり、ボーカリストである岩谷さんとハジメさんの二人の違いとはなんだと思いますか?
岩谷-難しい質問ですね(笑)音楽に対するアプローチは近いものがあると思います。二人とも息抜きが苦手ってところも似てますし(笑)
-息抜きが苦手ですか?(笑)頑張り過ぎてしまうと言う事ですかね?ミュージシャンの方は息抜きが上手い方ばかりだという認識が私の中ではあったんですが…(笑)
また質問に戻らせて頂きますが、岩谷さんにとってアガサナナゼアとはどんな存在ですか?
岩谷-ギターで表現できる場所ですかね。元々僕ギタリストだったんですけどやっぱりボーカリストの時とは感覚が違くて、昔に戻った感じになるときがあります(笑)
そういった意味でアガサは息抜き出来る場所っていう感じですかね。
-以前の参加されていた「言の葉プラネタリウム」と比べると、ギタープレイもコーラスワークも大きく変化があった様に思えるのですが、何かご本人の中で変化はありましたか?
岩谷-個々のパートの役割を考えると自ずとこうなったっていう感じですかね。
色んな音が合わさってようやく一つの事象や感情を表現する形になるっていうのは、常に頭の中にありました。
極力頭では考えず、普段使われてない部分の脳が勝手に動き出すのを待つというか。
とりあえず『出てくるの待ち』です(笑)
-岩谷さんの新バンド、インナーフローが活動を開始するとお聞きしましたがこれからの展望などありましたら教えてください。
岩谷-メンバー全員が無理なく自然体で音楽をできるバンドにしようと思っています。
世の中にはクリエイターの方々が沢山いらっしゃいますので、芸術面でそういった方々ともいい関係を築いていけたら嬉しいです。
-それでは最後にこのアルバムをこれから聞く人、又、まだアガサナナゼアを知らない人に何かメッセージをお願いいたします。
岩谷-このアルバムは色んな聴き方があるとは思いますが、わりと軽い感じでBGMとかにしても合うと思いますし、ヘッドフォンとかで目をつむって聴いても景色が広がって面白いと思います。
雰囲気がいいので是非色んなシチュエーションで流して頂きたいと思っています。
また色んな音が入っていますので何度聴いても発見があると思います。
アガサワールド、是非お楽しみ下さい!
-岩谷さんのバンド、インナーフローの音も楽しみにしています。長い時間ありがとうございました!
岩-ありがとうございました。

岩谷文武 Vo&G&Programming
ロックバンド LIBERTYのVo&Gとして2007年アルバム「螺旋パーティー」をリリース。
タワーレコード渋谷店最高位5位を記録。その後も、リリース・ライブツアーを重ね、2008年に解散。
その後はアガサナナゼアでギタリストとしての活動や、エンジニアとしての活動を重ねる。
そして2009年遂に自身のバンド「Inner&Flow」活動開始。ライブ・音源のリリースが待望される。
title:第三惑星第三者
artist:agasa nana there
date:2009.6.9
price:¥1995(taxin)
SKU:NANA-007

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